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決勝レースレポート
第9戦:富士スピードウェイ(4.526km)
GT300
CAR No. 62
順位
タイム
ドライバー
予選1
6
1'42.823
柴原 眞介
予選2
6
1'42.595
柴原 眞介
(スーパーラップ)
予選総合
6
1'42.595
柴原 眞介
(スーパーラップ)
決勝
14
1'44.615
60LAP
黒澤治樹
決勝 2006.11.5(日) 晴れ晴れ コースコース:ドライ|60 Laps (300km)
最終周、最終コーナーで非情のドラマが待ち受ける

朝から秋晴れに恵まれた富士スピードウェイ。いよいよ2006SUPER GTは、最終戦、決勝の日を迎える。♯62WILLCOM ADVAN VEMAC 408R(以下♯62)は、この日6番グリッドから今季最後のレースに挑む。地元で多くの声援を背に、今シーズンの集大成を披露する時がやってきた。

 ♯62の前のグリッドに並ぶ車は、いずれも救済措置により速さを得たことは明らかだ。マシンにアドバンテージをもつライバル達に打ち勝つために、♯62はチーム力で立ち向かう。そして、今季培ったその力をすべて発揮することができれば、優勝はかなうものと信じていた。

 午後2時5分、フォーメーションラップが開始される。ポールポジションの♯777梁山泊 apr MR-Sが、ピットロード出口の閉鎖時間までにコースインできずピットスタートとなったことで、5番目のグリッドからレースをスタートすることとなった♯62。スタートドライバーを努める黒澤は、チームにシーズン途中から加入したため、まだ優勝を経験していない。迎え入れてくれたチームの期待に応えるためには、もう一度自らの貢献で優勝を達成する必要があった。その最後のチャンス。闘志をスロットルに込めてローリングスタートを切った。

 ♯777が後退したため、レース序盤は3番グリッドからスタートした♯9 NOMAD ADVAN Leyjun MTがストレートの速さを武器に、1周目トップに立つとそのままリードを広げていくという展開になる。5位スタートの♯62はタイヤの特性の違いもあり、序盤、抜きつ抜かれつの接戦を演じるが、黒澤は冷静にチャンスを待っていた。ペースが落ち着けばいつでも抜いていく自信があったという黒澤は4周目、目の前で起こった接触にもあわてず、5位をキープ。そして13周目、1コーナーで♯96 EBBRO BTEC MAZIORA 350Rをかわし4位に浮上すると、そこから猛プッシュを始める。上位陣の中でも際立つ速いペースで走り続け、3位♯19ウェッズスポーツセリカへと瞬く間に迫っていった。
 数周後には♯19の背後へと追い付くものの、間に周回遅れの車が入ったため♯19をオーバーテイクするには至らないままピットインを迎える。そして、♯19の背後にピタリとつけたまま29周目、同時ピットイン。黒澤はピットクルーに3位浮上を託した。ピットクルーはシーズン最後のこの大仕事を完璧にこなすと、見事♯19の前でコースに送りだすことに成功。さらに、その前の周にトップを走る♯9がGT500の車に接触しリタイアしていたため、♯62は一気にここで実質2位までジャンプアップを果たした。

 後半をドライブするのはエース柴原。実質2位でバトンを渡された以上、トップを獲ることがエースの証明である。黒澤の闘志を引き継いだ柴原は、ピットアウトから2〜3周後、タイヤがあたたまりはじめると44秒代のラップで猛プッシュを始めた。
 そして実質のトップを走っていた♯26カーチスTOMOタイサンGT3が、34周目にピットイン。ここで♯62は♯26をもかわすことに成功する。しかし、ピットスタートから怒濤の追い上げを見せていた♯777が40周目にタイヤ交換なしのピットインを行い、♯62の前に出る。ピットインが一巡した後、♯62の順位は2位となった。

 43周目、♯777がタイヤのタレに耐えきれずスピンを喫する。♯62はここでとうとうトップに立った。速さは見せるが、ミスやトラブルで落ちていくライバル達を尻目に、チーム総合力に勝る♯62はいよいよその真価を発揮したのだ。レースの残り周回はあと10数周。柴原の走りも相変わらず安定しており、2位以下のギャップも充分ある。まさにチームが思い描いていたレース展開となった。不安は何もない。このままチェッカーを受け今季2勝目を挙げることをこの時、誰もが確信した。

 しかし迎えたファイナルラップに、無情にも悲劇が起こる。歓喜の笑みを浮かべ、ピットウォールで待ち構えるチームスタッフ。だが、♯62は戻ってはこなかった。なんと、ファイナルラップの最終コーナーでマシンが突如ストップしたのだ。ガス欠によるものだった。天国から地獄に突き落とされた♯62。呆然として真実を受け止めることができないチームスタッフ。SUPER GT2006シーズンは♯62にとって、この上ない悲劇で幕をおろした。

 ♯62は完走扱いとなり14位。優勝は♯101 TOY STORY Racing MR-Sの手に渡った。なおシリーズチャンピオンはこの日6位入賞を果たした♯7雨宮アスパラドリンクRX-7が獲得した。

監督:本島伸次
「最終ラップのトラブルは、原因がまだ分かっていません。後で突きとめなければなりませんね。しかし、それ以外は今日、ドライバー二人、そしてピットクルーも完璧なレースをしました。ですからスポンサーさん、ファンの方達には本当に申し訳なかったと思います。1年間頑張ってチーム力を上げていって、今日はその現状の力をすべて出すことが出来たはずですが、まだ何かが足りなかったという事ですね。来年はよりいっそう努力します。1年間応援していただき、本当にありがとうございました。」
ドライバー:柴原眞介
「自分も、治樹も、そしてピットクルー達も、シーズンの最後にチームとして完璧なレースを見せることが出来たと思っていました。しかし、それでも完璧でない部分があったということなのでしょうか。原因が分かっていないのでなんとも言えませんが、たった1リットルの燃料の差が、スポンサーさんやファンの方達にとっては『天と地』の差になってしまいました。本当に残念です。100%でダメなのなら、120%にしなければならない。来年はさらにチーム全員が努力して、何が何でもチャンピオンを勝ち取りたいと思います。」
ドライバー:黒澤治樹
「最後のレースがこんな結果に終わって残念でしたけど、チームは皆完璧な仕事をしたのではないでしょうか。1年間応援してくれた方達に、いいところを見せることは出来たと思います。だからこそ、余計に悔しいんですけどね。でもこのチームは絶対に、来年こそチャンピオンを獲るチーム。それは、胸をはって言えますよ。来年もぜひ、ここで走りたいですね。明日からオフに入りますが、オフの間も今日のこの悔しい気持ちをみんな忘れないでほしい。そして、来年この悔しさをみんなで晴らしましょう。」
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