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レースレポート
ROUND6<Fuji Speedway>
第6戦気温富士スピードウェイ:4.563km
GT300 予選1 予選2 予選総合 決勝
CAR No. 62 順位 3 7 7 -
タイム 1'42.972 1'53.370 1'53.370 -
ドライバー 柴原 柴原
(スーパーラップ)
柴原
(スーパーラップ)
-
予選2005.9.24(土)天気曇りのち雨コースコース:ウェット

雨のスーパーラップとなった期待のFUJI、予選7番手

 2005年シリーズは第6戦を迎えた。舞台は、今季リニューアルオープンしたFUJI。5月の第2戦に続き、スーパーGTでは2回目の開催となる。シーズンも後半戦に入り、遅れ気味だった開発も序々に進歩を見せる♯62 WILLCOM ADVAN VEMAC 350R(以下、♯62)だったが、前戦、得意とはいえないMOTEGIで金曜、土曜と苦戦。しかし、日曜の決勝でその復活を予感させる上々のパフォーマンスを見せたことで、いい流れのまま得意のFUJIへと乗り込んだ。

 公式予選の朝を迎える。この日の静岡地方は台風17号が接近している影響で、早朝は雨模様。しかし、8時頃を境に雨は止み、10時20分から始まる公式予選へ向け路面は徐々に乾いていった。現状のルールでは、予選は午前中が全てといっても過言ではない。路面温度も低く、難しいコンディションとなったが、昨日の練習走行はクラス4位という好成績の♯62、流れはいい方向へと向いていた。

 定刻通り10時20分に予選1回目が開始される。雨は完全に止んだが、路面には所々濡れている個所が見られ、タイヤ選択は分かれる。♯62はドライを選択、アタックを担当する柴原は開始早々コースインし、タイムアタックへと向かった。
 コース上、まだ乾ききっていない路面に、序盤はどの車も1分50秒前後の平凡なタイムを繰り返す。そして開始10分、1'44.282でまずトップに抜け出したのは♯62。この占有時間帯、最初のターゲットタイムをマークする。しかし走行を重ねるごとに路面は乾き、他の車も除々にタイムアップ。♯27direxiv 320Rが1'44.239で♯62をかわすと、直後に♯11JIM GAINERフェラーリが43秒台に入れトップタイムを塗り替える。さらにここで前戦ポールトゥウィンを決めた♯46♯46Dream Cube`s Zが1'43.341をたたき出し占有時間帯でのトップを奪った。

 ♯62は、その後タイムが伸びないままピットインし、植松にスイッチ。植松は基準タイムをクリアしたものの順位は下がり、この時点で8位に留まる。しかし、まだスーパーラップ進出圏内。占有時間帯はまずまずで滑り出した♯62だった。

 GT500クラスの占有走行が終わると、混走時間帯に入る。通常、混走でのタイムアップは難しいが、この日は時間が経つ毎に路面状況が良くなってくるため、いつもとは違い、激しいタイムアタックとなった。♯62も開始と同時に柴原がコースに入り、アタック。早々に1'43.971と43秒台に入れたが、ライバル達も同じ状況。順位を上げることはかなわない。
そんな中、混走開始10分。♯43 ARTAガライヤがスピンし、コース上にストップ。セッションは一時中断となった。
 約10分を経てセッションは再開。残り時間は10分。ここから更にアタックは激しさを増した。まず、ここまで静観し、ベスト10にも入ってこなかった強豪♯0 M-TEC NSXが突然1'43.053を出し、トップに踊り出る。そしてその直後のことだった。この時点で10位まで順位を落としていた♯62が、満を持してベストラップを更新。全車中初の42秒台突入となる、1'42.972をたたき出す。得意のFUJIで♯62の今季初となる暫定ポールが見えたが、終了直前に♯0がわずかながらそれを更新、さらに最終アタックで♯46が1'42.830を出し、♯62の暫定ポールはならなかったものの、見事にスーパーラップ進出を果たした。

 午後の予選2回目を迎えると、上空は雲を増してきた。しかし、降り出すにはいたらずドライコンディションが続く。♯62もドライタイヤのままインストレーションチェックを行った。

 GT300クラスのセッションが終了すると同時に、予報通り雨は降り出した。状況は一転、スーパーラップはウエット宣言の下、行なわれることとなる。事前の予想はあったものの、ウエットでの急な出走。濡れた路面に、どの車もタイヤを滑らせながらの懸命なマシンコントロールが続き、結果、いつもより順位に変動が見られる。そんな中、4番目のアタックとなった♯10MACH-GOフェラーリが1'51.695で唯一の51秒台を出し、まず一歩抜け出す。そしてこのタイムが更新されないまま8番目、♯62の出走順を迎える。
 ピットを出て2周を周回し、アタックラップを迎えた柴原だったが、ここでチームとの無線交信でコミュニケーションミスが発生。間違った指示に迷いながらラップに入った柴原は、序盤出遅れてしまい完全なアタックとならなかった。ミスを確認した後、柴原は気を取り直して臨んだのだが、ウエット時のタイヤの差も出てしまい挽回することが出来なかった。タイムは1'53.370に留まり、この時点で5位と順位を落とす。そしてウエットの性能に勝る♯0に1'51.597でトップに立たれると、最後の♯46にも順位をかわされ、♯62の第6戦、最終予選順位は7位に終わった。

 7位というグリッド順、♯62にとって後半戦期待のFUJIということを思えば、決して順当な結果とはいえない。しかし、その速さは本物だということが確信できる内容だった公式予選。明日のレースへ向け、チームは今季これまでにない自信を示す。台風の接近など、いくつかの不安材料はあるものの、♯62の実力が結果となって表れるレースときっとなるだろう。

 なお、この日のポールポジションは♯0が獲得している。

監督:本島 伸次
本島イメージ「今日はスーパーラップの通信ミスで、結果的にドライバーの集中を削ぐ形となり申しわけないことをしたと思います。木曜、金曜と変動する状況下でチームは、やれることをやり、今日も目標通りスーパーラップへ行きました。最後にタイムを伸ばすことは出来なかったものの、チームはみんな頑張ったと思います。明日の天候はわかりませんが、晴れなら表彰台は行けるでしょう。今回からチーム強化の為に、前監督の澤田は技術面に専念してもらうことにし、私が監督を務めます。その改革が明日、結果として出ることを願っています。」
ドライバー:柴原眞介
柴原イメージ 「午前中、42秒台を出すことが出来ましたが、♯10に引っかかってクリアラップではなかったので、少し残念です。42秒台半ばくらいは行けそうだったので。スーパーラップでは、無線のミスがあって少し失敗した形になり、またウエットということでタイヤの性能差も出てしまいタイムを伸ばせませんでした。でも、車はすごくよくて、チームのここまでの流れもいい。明日もこのいい流れのまま行って、ぜひ優勝まで行きたいですね。雨でも晴れでも、どっちでも大丈夫です。いや、お客さんのことを考えると、やはり晴れのほうがいいですね。」
ドライバー:植松忠雄
植松イメージ「昨日までセットをやや迷っていたりしたものの、すごく乗りやすい車になっていますね。かなり行けると思います。予選は柴原さんに任せているので、今日は1周しか乗りませんでしたが、セッティングの方向性は当たったと感じました。晴れだったら、絶対ポールだったはずです。明日は台風が近づいていることもあり、どういう状況になるのか解りませんが、レースは面白くなると思います。7位から着実に表彰台を狙っていきたいと思います。」
決勝2005.9.25(日)天気晴れコースコース:ドライ|66 Laps (301.158km)

優勝も見えていたレースに、またも試練

 2005年、スーパーGT第6戦は決勝を迎えた。この日、決戦の舞台となるFUJIスピードウェイは、心配された台風17号の直撃を免れ、多少風は強いものの雨の心配はなく、朝から晴天につつまれた。昨日のスーパーラップでの通信のアクシデントにより、決勝のグリッドは7位となった♯62 WILLCOM ADVAN VEMAC 350R(以下、♯62)だが、今回の実力がそれ以上であるということは証明済みと言っていい。この日、予想外の好コンディションとなったことは♯62にとって、予選の不運を払拭するための追い風となるやもしれない予感を抱かせた。

 午前のフリー走行を予定通りこなし、セッティングの確認を行なった♯62。決勝に向かうその自信はここでも揺るがない。柴原はもちろん、昨日1周しか走行しなかった植松もこのフリー走行で感触をつかみ、決勝に絶対の自信を見せた。

 午後2時10分、予定通り決勝のフォーメーションラップが開始される。♯62、今回のスタートドライバーは柴原が努める。昨日「優勝を狙う」と公言した柴原は、有言実行すべくステアリングを握る手に力を込めローリングスタート。そしてオープニングラップから果敢に攻めていった。

 まずはその1周目、♯62は♯30 RECKLESS MR-Sをかわし、♯10 MACH-GOフェラーリがスピンしたことで一気に2つ順位を上げる。続いて3周目に前戦の勝者♯46Dream Cube`s Zをダンロップコーナーでかわすことに成功。そして、手を緩めることなく攻め続ける♯62はその翌周、第1戦の勝者♯13エンドレスZを同じくダンロップコーナーでかわす。この時点でまだ、レースは1割弱を消化したに過ぎなかったが、すでに表彰台圏内の3位。トップチームをも力でねじ伏せるその♯62の姿は、2002年を彷彿させた。そして、次に狙うは2位を走る♯11JIM GAINERフェラーリ。この時タイム差は10秒以上あったが、♯62はラップペースで勝っていた。十数周後に追いつく計算、しかし19周目に♯11がスピンしタイムロスするという、幸運なアシストを受ける。これで一気に2秒差まで詰めよった♯62は、射程圏内に入った獲物に容赦なく襲いかかった。

 完全に追い風を受けたに見えた♯62。21周目、ついに1コーナーで♯11を差し、残りのターゲットはトップのみとなる。

 しかしここで悲劇は起こる。ダンロップコーナーで周回遅れの車に追突され、♯62は痛恨のスピン。さらに逆向きに止まってしまったためコース復帰が難しい状況となる。コース上が空くまで待つその間、止まったエンジンを再度かけようとする柴原。その時、切れているはずのクラッチが突然スティックしてしまい、勢いよくコース上に飛び出してしまった。前方から4位を走っていた♯43 ARTAガライヤが迫る。不意の出来事により避けることが出来ず、両者は激しく接触してしまう。
正面衝突に近い形の接触に車は大破。今季初めて優勝が見えた、その瞬間にレースを失うという、思いがけない結末を♯62は迎える。

 後半戦、最も期待がかかっていたFUJIの第6戦。その期待通りにトップチームと遜色ないパフォーマンスを金曜、土曜と見せ、決勝でも強いVEAMACを見せることが出来た。しかしレースの結果はいつでも、アクシデントという不確実な要素に影響される。そして今回もまた♯62は表彰台を果たせなかった。
今季残る2戦、それでもこのチーム力を維持し表彰台、そして優勝に挑み続けるしかない。

 なお、レースはポールポジションから終始独走の♯0 EBBRO NSXが、今季2勝目を挙げた。

監督:本島 伸次
本島イメージ「アクシデントとはいえ、状況としてはドライバーが最大限の注意を払うべきであり、(接触した)相手に迷惑をかけてしまったことは大変申し訳ないと思います。チームも今回は、今までで最も調子がよく、レースもリタイアするまでは優勝を狙える位置にいただけに残念な結果となりました。次回は頑張ります。」
ドライバー:柴原眞介
柴原イメージ 「あの時点で2位まで行けていたので、今までにない優勝争いのレースを見せることが出来ると思っていました。実際、車もタイヤもすごくよかったので、期待は充分出来ましたし。(スピンで止まって)エンジンをかけた時、クラッチが入っていたことは、自分のミスでもありますからチームには申しわけないと思っています。FUJIということで、お客さんもスポンサーさんもたくさん来てくれていたので、何とか結果を出したかったのですが。」
ドライバー:植松忠雄
植松イメージ「今回はチームもまとまりがあって、週末の流れもよかった。レースでも、あそこまで柴原選手のラップタイムはすごく良かった。自分自身も、フリー走行でのタイムが速かったことでレースでも自信があったし、表彰台は確実だと思っていました。本当に残念です。」