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ヒーローインタビュー
第6回 #62空力担当エンジニア 野田隆宏

東京R&Dが誇る究極のGTカー“VEMAC”。何ゆえ究極なのか。すべてはその空力性能にあるといっても過言ではない。スーパーGT、♯62 WILLCOM ADVAN VEMAC 350Rのこれからの活躍において、最もキーマンとなるであろう空力担当エンジニア。今回のヒーローインタビューのお相手は、♯62空力担当エンジニアの野田隆宏氏。「VEMACはもっと速くなるのか?」野田氏に聞いてみた。

インタビュアー(以下イ):
VEMACは、非常に空力性能に優れたマシンだと聞いています。野田さんは2001年、VEMACのプロトモデル開発のころから関わっていらっしゃるとお聞きしました。まず究極の空力マシン“VEMAC”の開発コンセプトは何だったのですか?
野田隆宏(以下野):
とにかく「ドラッグ(空気抵抗)が少ないマシン」を作るということですね。見た目に“速い”マシンというのは、ストレートが速い車です。それには低ドラッグであることが最も必要だと考えていました。
イ:
そうですか。そして2002年、VEMACはデビュー戦で早速、本領を発揮しましたね。実際の走りは、野田さんの理想通りでしたか?
野:
もちろん、思ったとおりの速さでしたね。当時GT300クラスで風洞を使って開発しているチームはほとんどありませんでしたし、当然といえば当然なのかもしれませんが。
イ:
その実戦投入から3年が経ちました。この3年間で最も苦労された点は?
野:
GTは毎年、レギュレーションが変わります。特に、2003年のレギュレーション変更は、VEMACの空力特性上すごく重要な部分を変更しなければならなくなり、非常に開発が難しかったですね。
イ:
今季♯62は320Rではなく350Rで参戦していますね。この2台、見た目には大きな違いが感じられませんが、空力の特性上でなにか違いはあるのですか?
野:
350RはGT500用に開発されたマシンです。320Rの時とは違い、むしろダウンフォースを重視して作られました。その分320Rと比べるとドラッグは大きいんです。
イ:
見た目は似ていても全く違う車なのですね。そしてその今季なのですが、ここまで2002年時に比べると、速さという部分でもやや苦戦の様子が見られます。空力的にも何か問題はあるのですか?
野:
いや、♯62はGT300クラスの中でも、ダウンフォースは間違いなくトップクラスだと思うんです。また最高速でも、他に全く引けを取っていません。しかし、サーキットで速く走るということは、他にもエンジン、タイヤ、そしてドライバー、と全ての要素のバランスが取れて初めて発揮されるものです。それらについても個々ではもちろん、トップクラスだと思いますが、トータルバランスという部分でマッチングするのに時間がかかっているのだと思います。
イ:
でも前戦のオートポリスでは、そういう意味で光明が見えてきたのではありませんか?
野:
そうですね。苦手だと誰もが考えていたオートポリスで、結果はともかくトップクラスの速さを見せることが出来ましたからね。最終戦の鈴鹿はハイダウンフォースサーキットなので、♯62により有利です。もっと速いところをお見せできると思いますよ。
イ:
ではズバリ、最終戦の抱負は?
野:
まず予選で「ポールポジションを狙う!」と宣言しておきます。
イ:
力強い言葉を有難うございます。最終戦ということでファンに皆さんの期待も大きいと思います。ぜひ実現してください。では最後に、野田さん自身の今後の課題についてお話いただけますか?
野:
ダウンフォースとドラッグは、通常対極にあるものです。その中でいかに現状のダウンフォースを下げずに、なおかつドラッグを減らすことができるかということが私の仕事です。これはまだまだ伸ばせる余地があるし、そうしなければこれ以上マシンは速くなりません。納得のいく開発が実現できれば、その時“VEMAC350R”は本当に最速になるでしょう。
イ:
今後のご健闘をお祈りしています。
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